◆やすらぎ◆ 【NOKOGIRIYA】 ◆鰯◆

鋸屋 (ノコギリヤ)

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ZOKUっと来た

osad
ご無沙汰。生きてます。

某所で文章書きのマネゴトを始めたのはいいんですが、いかんせん手が(更に言うなら頭の回転が)遅くて全然形になりませんねぇ
文章ってのは難しいです。絵描いてる方が12倍はマシですね。
ちなみにこちらは、いつだか描いたフユカちゃん。僕が気に入ってるんで設定を若干弄って復活を果たしましたとさ。
「影」の新たな表現方法はないだろうかと思い、いっそのこと布っぽくしてみたけど微妙だったかしら。
そして塗り色は(全体的に)もう少し考えてから塗るんだったと後悔。後悔役に立たず。

タイトルから察しが付いた方が居るとは思えませんが、森博嗣センセの「ZOKU」を読破。
やっべぇですこれ。面白すぎる。
最近のGシリーズが少々マトモすぎてあるぇー?って思っていたところに雪崩れ込んできたニュウ・ウェイブといった感想。非常に俗っぽい。それがいい。
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見せるわけにはいかないよ!

見せられない



初めて年齢制限に触れる絵を描いた。
描いたはいいが恥ずかしかったので結局自重。なんたるチキン。

Ferris wheel

 例えるならば、それは巨大な風車かあるいは観覧車。

 僕はその全貌を拝んだ事はないが、少なくともそう感じるだけの圧倒的な存在感と、巨大さからくる例えようのない威圧感を身体の何処かしらで常に感じていた。
 それは、観覧車と例えて言うなら7つの街を吊りながら回っているのだ。
 速度は決して速くない。
 洋上に浮かぶそれを、三角形に組まれた鉄骨と、樹齢百年の杉よりも太そうな捻れたワイヤでもって支えている。
 鉄骨を根本まで辿れば、あるのは更に巨大な金属の柱。
 その一部に回転する機構があるのだろう。街を吊る鉄骨は全てその一部分に集約している。
 巨大な支柱は海へと突き立つ。
 下に行く程太くなるそれは、全体が赤茶色の錆に侵食されつつあった。
 
支柱の根本部分…と言っても海上の見える部分を指すのだが、そこには白いコンクリートで造られた人工の島がある。
 彩度の低い様々な色のコンテナがそこかしこに乱雑に置かれ、桟橋には幾つかの船が常時停泊している。
 毎日、深夜に船が数隻何処か遠くからやってきて、停泊している船と交代する。
 まるで、見張りでもしているみたいに。
 昼間に貨物船からクレーンを使ってのコンテナの積み降ろし作業をしているのを遠目に見る事ができる。上から見ると、大きな船でも縮小模型みたいな大きさに感じるのだ。


 僕らの街は七と呼ばれている。
 恐らくだが、僕らの街から進行方向に向かって吊られている街が一。逆側が六だと推測できる。
 コンクリートの白い島がある方向をこの観覧車の正面だとすれば、時計回りしている事になるので、進行方向側の街の方に大きな数字が来ると思ったからだ。
 ただ、街は7つなので、七の次は一になる。
 街は一週間かけて一回りし、元の位置に戻る。
 一番下に島があり、街の乗ったプレートを滑らせる専用の溝が設けられており、そこに街が滑りこんだ時に上下水道の交換と物資の搬出入が行われる。
 いわば整備用のガレージ。またはレースのピットインと言った所だろう。
 しかし、あれだけ大量の真水を何処から持って来ているのだろうか。
 背後の支柱が貯水タンクを兼ねているのかも知れない。
 周りは見渡す限りの水平線。
 空の顔を反射する水面は、いつも青く光り、ゆらゆらと漂い続けている。
 まるで海月(くらげ)のよう。
 



 蝉の鳴き声はまさに最盛期と言わんばかりに反響を繰り返す。
 極稀に訪れる一瞬の沈黙は、フランス人辺りなら天使が通過したと例えるかも知れない。
 外は炎天下。だが壁を隔てたここでは、ただ、窓から差し込む光の光量で外の熱を窺い知るのみだ。

 「暑いと言うより、熱いよね」
 
 待ち合わせ場所の喫茶店は心地良い程度に冷房が働いており、快適だ。
 白い彼女が僕の座る席の近くに来たのを見計らってそう言った。
 待ち合わせの時間ぴったりだった。これなら、この時間にこの台詞を喋るようにプログラムした僕の人形が居ても不自然ではなかったかもしれない。

  「待たせてしまったみたいだけど、謝らないわよ?」

  「いや、君が正しい。勝手に早く来たのは僕だからね…。早く来てゴメン」

  毎回彼女と待ち合わせる時は、決まって彼女が遅れてくる。それは、単に僕が早く来過ぎるからなのだが。
 逆に彼女は必ず時間通りに現れる。少し早く来ようという発想が無いのか、面倒なのか、そういう主義なのかどれだろう。

  「面白い名前のお店ね。金物屋みたい」

  「さっき店のマスタに聞いてみたんだけど、電動の木を切る奴じゃなくて金属を切る弓形の方が由来らしいよ」

 麦藁帽子を脱いだ彼女は、夏の世界に反逆するかのように白い顔を覗かせた。
白いワンピースに白い靴。
服の端々から見える素肌もまた、太陽の光を完全に反射しているのではないかと思わせる程白い。
 唯一、否、二つ。彼女の髪は逆にあらゆる光を完全に吸収しているかのように黒く長い。そして見開かれた彼女の知性的な眼は、微かなブルーの光が見える。それらが際だって例外と言える。

  「所で昼ご飯は食べた?」

  「いいえ、まだよ。…あぁ、そういえば食べてなかったわね。忘れていたわ」

  「じゃあ食べながらか、食べる前か、食べた後にでも話そうか。はい、メニュー」

  「時間を限定する事に意味があるようには思えないけど」

  「だね。今でもいいくらいだし…。あっ、すっかり言い忘れてた」

  「何が?」
 
 「いや、可愛いね、その服」




 僕らの街が回転半径の頂点に達したある日の正午。
 街から一人の男が海面に向かって身を投げた。
 …特にどういう事でもない。たまにある事だ。

 「街に居る人達は、生まれてからちょうど21年経った日のこの時間に死ななくてはならないの」

 それを眺めていた僕の背後に、いつの間にか一人の女の子が立っていた。
 歳は十代前半か、下手したらもっと幼いかもしれない。
 格好は見るからに薄着。このまま北国に行ったら凍死はもはや確定だろう。
 病的とも言える程その手足は細く、小さい。
 イメージとしては、可憐。そして白。花言葉が作れそうだ。

「何故?」

君は誰だと尋ねたかったが、別にどうでもいいかと思って次に聞きたかった事を尋ねた。

「何故?主語がないわね。それは、何に対して?」

何に?
…成る程、彼女は一つ一つ質問してきていると思ったのだろう。





…そんな訳があるか。

「今のは冗談だね?」

「うん、私だってわかんないわ。そんな事」

「じゃあ次の質問だ」

「当ててあげる。私の名前でしょう?そして、その質問は最初に思い付いたでしょ」

「近い。でも外れ。正解は君が誰かって事。最初に思い付いたってのは正解」

「あぁ惜しい。私はただの、あっちの地区に住んでるごくフツーの女の子よ」

普通?この子が言うと途端に嘘くさくなるのは何かの魔法だろうか。

「名前を聞かないの?珍しいわ」

「あんまり重要とは思えないんだよね。だって、君って呼べばそれで済むじゃないか」

そう言うと、彼女の瞳に僅かだが「驚いた」といった類の表情が浮かんだ。

「すごいすごい。貴方、私とおんなじ事を考えているのね。ねぇ、一緒に遊びましょうよ」

急に顔の筋肉が動いたかと思ったら、そうだ、すっかりこの形を忘れていた。
歳相応の、笑顔だ。

「遊ぶって?子供じゃあるまいし…」

「何言ってるのよ。歳、私とおんなじくらいじゃない」

…あぁ、そういえばそうだった。
道理で彼女の眼ばかり見える訳だ。
そう、僕は子供だったな…。




「へぇ、夢?」

スパゲッティとコーヒーを二人分頼んだ後に、僕は話を切り出した。

「うん、僕は普段夢とかあんまり見ないんだけど、やけに鮮明に覚えていたんだ。今日のは」

「今日?…じゃあ、その夢を見なかったら何を話す予定だったの?」

「何だろう?うーん」

僕は以前彼女に指摘された「考える時の癖」を全力で再現して考える振りをした。
左手で顎のやや下に触れ、目線は右。
首をやや下向きにして、唸っている最中に首を若干上向きに修正し、右腕を胸の前に持って行き、手首を左腋のやや下に添える。
更に五秒の間。



「…下着の色とか聞いたかも」

「貴方の?」

「黒だ」

「聞いてないわよ。考えてなかったでしょう」

「うん。なんでバレたかな」

「まだまだね」




観覧車はあれから何回回っただろうか。
日付という概念は既に喪失していたので困る事ではない。
僕は彼女と暮らしていた。
そう表現しても差し支えない程、一日の時間を彼女と共に過ごしている。
何をして過ごしていたのか、その日の夜に思い返してみても何も浮かばない。
時間が瞬時に消え去っていくような錯覚さえ覚える。

ある日、七の街が一番高い所に来た。
そして、いつものように何人かが身を投げた。
僕らはそれをいつものように見ていた。

「何だか虚しいね。頑張って生きても、結局皆と同じように死んでしまうんだ」

「皆と同じが嫌?」

「うん、嫌だ。だって、僕は僕だ」

「じゃあ、私も嫌?」

「いいや、何でか僕にも分からないけど、君は居て欲しい」

「嬉しいわ。…じゃあ、死に方を変えてみればどうかしら」

「死に方を?」

「そう。例えば22歳で死んでみるとか」

「…成る程、それならいいかも。うん、少し魅力的」

悪くないかも知れないと思った。
若しくは飛び降りずにこの街の上で死ぬのも面白いかもしれない。

「いいや、僕は死にたくないんだ」

彼女の時と同じような現れ方だ。
いつの間にか僕の背後に、僕らより背の高い痩せた男が立っていた。

「僕は次ここに街が来たら21歳になってしまうんだ。こんな高い所から飛び降りたくなんかな」

「飛び降りて死ぬのが嫌なの?」

「痛いのも高いのも御免だよ。どうせなら生き延びたいや」

「こんな我が儘な人初めて見たわ。飛び降りるのが嫌なら、突き落としてもらえばいいじゃな」

「僕と同じ日に飛ぶ奴が僕以外にいないんだ。僕が一人。なぁ、君達。生き延びる方法を考えてくれないか?」

「構わないけど、思い付くか分からないわよ?」

「うん、一人よりはいいや。頼んだよ」

その男は背中を丸めて帰っていった。
僕らは早速生き延びる方法を考え始めた。
…しかし、今一つなアイデアしか出ないのだ。

三日過ぎた。

街は島に滑り込み、内部の水が排水されていく音と振動が聞こえる。
いつもと同じ、街の端で島を見ていた。

「島に住んじゃ駄目なのかしら」

「出来るなら、みんなやってるよね」

「うーん、そうよね…」




スパゲッティとコーヒーがテーブルに運ばれてきた。
そんなイベントがあったのがもう30分以上前の事だ。
彼女と僕は二杯目のコーヒーを飲んでいた。

「それで?」

「うん。彼等は下の街まで行く方法を思い付いたんだ」

「ロープか何かね?」

「うん。5日目以降なら街の右端から下の街の左端あたりに行けるって思って」

「すごい話よね」

「あ、もしかしてオチが読めた?」

「えぇ多分。…つまり、その二人だけは21年以上生き残れるのよね」

「そう…。彼等が21歳の誕生日を迎えた時にそれをやれば、彼等は六の街に居る事になるからね。最初の女の子の話を信じるなら、その一日だけ七の街から消えれば、また帰ってきても飛び降りずにすむ」

「その方法。痩せた男には伝えなかったんでしょう?」

「お見通しか、流石だね。…そう、彼等は他人との類似を嫌ったんだ。だから、前例を作る訳にはいかなかった。相似ならよかったんだ。だから彼等は惹かれあった」

「…作りも甘いし、物語としては全然ね。ただ---」

彼女は目を閉じた。
彼女の考える時の癖は、それくらいだ。
考えてないのかもしれない。

「興味深い点が幾つかあるわね」

「あ、その顔は全部見抜いてるね?」

「これ、夢って言ったけど…、結構な割合で創作で補填しているでしょう」

「うん。いや、もしかしたら全部かも。正直言うと僕も何処から何処までが夢で見たインスピレーションだったか覚えてないんだ。さっきのは嘘だ」

「蛇足っぽく感じたのは最後の男ね。街の番号とかもそうでしょう」

「むしろ21歳飛び降りシステムが創作だね。あれは後で矛盾に気付いたんだけど放置して進めたんだ」

「矛盾って素敵よね。…察するにこれは、多分あなたの心象風景。何が何を具体的に表しているのか私には分からないけど…、複数の街は貴方の、所謂人格だと思うわ。島は多分、他人」

「人(外部)との接触を分散させて、精神ダメージを軽減してるって事かもね」

ふと彼女が華麗な動作でカップを戻し、カップで見えなかった小さな唇が動いた。

「冷えてきちゃったわ、そろそろ出ましょう?」

「そりゃそんな薄着じゃあね…。何処に行こうか?」

「うーん、そこは前もって考えていて欲しかったわ。減点」

「厳しいね。合格ラインはまだキープ出来てる?」

「まさか。全然足りてませんよー」

おや珍しい。たまに見せる「妙に幼い彼女」の人格だ。

「そうだ、二つだけ分からないのよ」

もう普段の彼女に戻っている。相変わらず脳の切り替え速度が早過ぎる。

「二つ?」

「いつ、どうやって死んだの?」

「あぁ…」

 これは、前もって考えていたのだ。

「誕生日の次の日に、お互いをナイフで突いたんだったと思う。あの話で誰も「殺す」って言わなかっただろう?つまり、そんな前例が無かったんだ」

「じゃあもう一つ。彼女達の名前は?」

「ああ…、男の子はハルキ。女の子はフユカだ」

「私達と同じ名前ね」

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ソウ神父 (padle-SAW)

Author:ソウ神父 (padle-SAW)
連絡はproject_dos-a◆hotmail.co.jp
(◆→@)まで。

アニメーターの様な事をやっているかも知れません。

コーヒーが無いと死ぬ。

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ちなみにリンクフリー。 報告はあると嬉しいです。

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